追憶

 頭の中で昔の事なんかを思い出すと決まって出てくるのは、高校時代の暑かった夏の部活の時間だったり、そのとき付き合ってた彼女と待ち合わせしてた駅の植え込みの前とか。いつも僕はどっかに忘れ物をして日々すごしてるんだ。そう、忘れ物。二度と戻ることができない時間に忘れ物をするんだ。

 彼女を泣かせた日とか。先生に言われた言葉だったり。涙を流した理由とか。

 その忘れ物を僕は必死に思い出すんだ。忘れ物を無くさないために。

 忘れ物を無くしたら?どうなるんだろうね。


 忘れ物はいつもぼくの中の手の届かないとこにある。